支えるということ
支えるということ
厳しいミャンマーで、あらためて考えた「一緒に働く」という意味。
今、ミャンマーの生活は決して楽ではありません。
9月だけを見ても、チャット安が進み、燃料価格も上昇しました。
私たちが日常生活の中で見ている価格でも、
食事、交通費、卵、外食など、
さまざまなものが以前より高くなっています。
数字だけを見れば、
「物価が上がっている」
という一言で表現できます。
しかし、現地で生活していると、その数字の向こう側にあるものが見えてきます。
物価上昇は、生活そのものに影響する
ミャンマーでは、外貨を持っている人と、MMKだけで生活している人とでは、現在の環境から受ける影響が大きく違います。
日本円や米ドルを受け取れる人にとっては、チャット安によって多少は物価上昇を吸収できます。
しかし、収入のほとんどがMMKの人にとっては、
物価が上がっても、
給与が同じ速度で上がるわけではありません。
食費が上がる。
交通費が上がる。
燃料が上がる。
生活に必要な支出が少しずつ増えていく。
その積み重ねが、暮らしを圧迫しています。
身近なところでも感じる厳しさ
私が普段お願いしているタクシーの運転手がいます。
その彼が最近、事故に巻き込まれました。
自分の車を当て逃げされ、修理ができないまま、すでに2か月ほど仕事ができていません。
車がなければ仕事ができない。
しかし、
修理するための部品がない。
そして、その部品を買うためのお金もない。
日本であれば、
保険や修理、代車など、
何らかの方法が見つかるケースも多いと思います。
しかし、ここでは、
一つの事故が、
そのまま「仕事を失うこと」につながることがあります。
本人が怠けているわけでもない。
働きたくないわけでもない。
仕事をしたくても、
できない。
そういう状況を、身近なところで見ることがあります。
「寄付をすればいい」のか
こうした話をすると、
「何か支援できないか」
と考えます。
もちろん、
困っている人に対して、お金を渡すことが必要な場面もあると思います。
しかし、私は今、
少し違うことを考えました。
単純に寄付をすることだけが、
本当にその人のためになるのだろうか。
一時的にお金を渡せば、
その瞬間は助かります。
でも、
生活を安定させ、
その人自身が将来へ進んでいくためには、
それだけでは足りないように感じます。
「仕事」で支えるという考え方
私たちは会社です。
だからこそ、
できる支援の形もあると思っています。
それは、
仕事をつくること。
そして、
その仕事を正当に評価すること。
働いた分に対して、
適切な報酬を支払う。
能力が上がれば、
その成長を評価する。
新しい仕事を任せる。
スキルを学べる環境をつくる。
将来のキャリアを一緒に考える。
そうすることで、
「支援する側」と「支援される側」ではなく、
一緒に働く仲間
という関係をつくることができるのではないかと思います。
安いからミャンマーを使う、では続かない
チャット安が進むと、
日本企業から見れば、
ミャンマーの人件費は相対的に安く見えることがあります。
しかし、
そこで、
「さらに安く使える」
とだけ考えてしまえば、
長期的な関係は続かないと思います。
スタッフ自身はMMKで生活しています。
食費も、
交通費も、
家賃も、
通信費も、
生活に必要なものは上がっています。
だから、
為替だけを見て給与を考えるのではなく、
現地で実際にどのような生活をしているのか
を見る必要があります。
正当に評価することも支援になる
私は最近、
「支援」という言葉について考えるようになりました。
支援というと、
何かを無償で与えることを想像しがちです。
しかし、
仕事を正しく評価することも、十分に支援なのではないか
と思います。
頑張った人には、
頑張っただけの評価をする。
責任が増えれば、
それに応じた報酬を考える。
物価が大きく変われば、
生活への影響も考える。
そして、
目の前の給与だけではなく、
その先の成長まで一緒に考える。
会社だからこそできる支援は、
そこにあるのかもしれません。
お金だけではない支援
一方で、
すべてがお金で解決するわけではありません。
例えば、
新しい仕事を経験する機会。
AIやITを学ぶ機会。
日本語を学ぶ機会。
チームを管理する経験。
お客様と直接話す経験。
こうしたものも、
長い目で見れば大きな価値になります。
今の収入だけではなく、
3年後、5年後に何ができる人材になっているか。
そこまで考えることが、
会社としての役割だと思っています。
一人ひとりの生活を見る
会社が大きくなると、
どうしても数字を見る機会が増えます。
売上。
利益。
人件費。
生産性。
稼働率。
もちろん、経営には必要です。
でも、
その数字の向こう側には、
一人ひとりの生活があります。
家族がいる人。
親を支えている人。
兄弟の学費を負担している人。
将来のために勉強している人。
生活が苦しくても、毎日会社へ来て仕事をしている人。
そこを忘れてはいけないと、改めて感じています。
会社とメンバーは、同じ方向を向けるか
私が目指したいのは、
会社が利益を出して、
メンバーはただ給与を受け取る。
というだけの関係ではありません。
会社が成長する。
メンバーも成長する。
会社の仕事が増える。
メンバーの機会も増える。
メンバーの能力が上がる。
会社が提供できるサービスも増える。
そういう循環をつくりたいと思っています。
AI時代だからこそ、人への投資を減らさない
今後、
AIによって多くの業務が効率化されていくと思います。
だからといって、
人への投資を減らすべきだとは思いません。
むしろ逆です。
単純作業がAIへ移るのであれば、
人には、
より高度な仕事を任せられるようにする。
AIを使えるようにする。
品質を管理できるようにする。
お客様と話せるようにする。
改善を提案できるようにする。
そのための教育が必要になります。
一緒に働くことが、喜びになる会社へ
私は、
「生活のために仕方なく働く」
だけの会社にはしたくありません。
もちろん、
仕事は生活のためでもあります。
給与はとても大切です。
でも、
それだけではなく、
「ここで働いて成長できた」
「新しい仕事を覚えた」
「自分の仕事がお客様の役に立った」
「このチームで働けてよかった」
と思ってもらえる会社にしたい。
そして、
私自身も、
このメンバーと一緒に会社を成長させることを楽しみたいと思っています。
まとめ
今のミャンマーは、
決して簡単な状況ではありません。
チャット安。
物価上昇。
燃料コストの増加。
それぞれが、市民生活に直接影響しています。
そんな環境にいるからこそ、
会社として何ができるのか。
改めて考えています。
単純にお金を渡すことだけではなく、
仕事をつくる。
仕事を正当に評価する。
生活の状況を見る。
成長する機会をつくる。
将来のキャリアを一緒に考える。
そして、
必要なときには支える。
私は、
そういう関係をメンバーとつくっていきたいと思っています。
仕事を通して生活を支え、
成長を通じて未来を支える。
そして、
その結果として、
「一緒に働くことが喜びになる」。
そんな会社を、
このミャンマーのメンバーと一緒につくっていきたい。
今週は、そんなことを強く感じた一週間でした。
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